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フルカスタムの
ウクレレ製作に挑戦! その13



巷ではテナーサイズやコンサートサイズのウクレレが人気のようだ。
ならば当『天羽楽器製造』でも作ってやろうではないか。テナーはA4用紙にボディが書けないので、今回はまずボディサイズがA4に納まる、コンサート・ウクレレだ。
いつものごとく、実験的なウクレレはホームセンターで購入した朴材で製作する。

今回使った材料です。
ボディ
   サイド   朴
   トップ   朴
   バック   朴

ネック、ヘッド  朴

指板       パオロッサ

ブリッジ     黒檀

ナット      人工大理石

サドル      人工大理石

ペグ       グローバー


コンサート・サイズといっても、いつものソプラノ・サイズと作り方は同じだ。作業量は若干増えるが、側板の曲げ加工などはカーブがゆるい分、こちらの方が楽かも。
今回も、制作過程の一部を写真で紹介する。

型は、安い、軽い、加工が楽な、ファルカタ集成材で作った。
これだけ見てもサイズはよく判らないが、ボディ長 約28cm、ボディ幅20cm程度だ。
外観は一応、LEILANIからパクッている。
曲げ加工は楽しいなっ (^o^)
朴材は特に簡単に曲がってくれる。が、すぐに戻ろうとするので、それを抑えてやる。
側板合体! 背後ではネックも合体中。
なんちゃってブックマッチ中だ。在庫の中から似たような色合いの板を取り出して貼り合わせる。裏表、二組作る。
ライニングは、余分にとっておいた側板から切り出したもの。表も裏も同様のソリッドライニングだ。
側板にトップを接着する。ドクターペッパーの出番だ。
きちっと形が整うように、側板は型枠で押さえている。以前は型くずれなど全く気にしていなかったのだが、最近はちゃんとするようにしている。
バックには、ボディを閉じる前にプレーシングとラベルを貼っておく。
ちょっと板厚が薄すぎるかも。部分的に、1.4mm程度か。
ボディを閉じる前に、トップにもプレーシングを接着しておく。
が、プレーシングが足りない気がして、ブリッジ裏に写真のような板を貼った。
ボディを閉じる。
折角なので専用治具で押さえる。輪ゴムでもいいんだけどね。
指板を作る。最近よく使う、パオロッサだ。ポジションマークはシンプルに。
三役そろい踏み。ここまで来ると、早く音を出したくなってくる。
ちょいとサイズが大きいので、結合は少しタイヘン。
ネックが真っ直ぐになるように、接合面を何度も調整――
したが、ヒール(ここだけ、メープル)が真ん中から外れている(^_^ゞ
塗装中。薄くニスで色付けした後、クリアラッカーを吹く。乾かしては、また吹く。
最終的に、スプレー缶一本まるまる使った。
今回は塗装が先、指板とブリッジの接着が後。
さっさとブリッジも接着する。
ブリッジは当初考えていたものは止めて、大きめのものを作り直した。
ヤバッ、ちょっと位置がずれて付いちゃった。
指板とブリッジを椿油で拭き上げる。以前はガンストックオイルを使っていたが、椿油の方が匂いが穏やかだ。
ペグは買い置きのグローバー、弦も買い置きのghsにした。
完成っ!
左はソプラノサイズのウクレレだ。大きさの違いが判るだろう。
ボディ長=28cm、ボディ幅=20cm(Lower bout)、厚さ=6cm。
スケール=400mm、14フレット継ぎの全20フレット。

見た目は、まあ普通に仕上がった。コンパウンドがなかったので、ピカピカ仕上げにはならなかった。

flymanの好みで、ブリッジの位置はかなり前寄りだ。12フレット継ぎでも良かったか。
手持ちの板から選んだにしては、なんちゃってブックマッチがかなりうまく行っていると思う。
ヘッドの形状は、最近はこれが気に入っている。一本前に作ったものの類似型。
作り直したブリッジ。
サドルは、弦高を見ながらギリギリまで調整した――ら、ちょっと下げすぎたかも。面倒なので、作り直しはナシで。
ネックと指板はこんな感じだ。
ナットもギリギリに調整してみた。――今までは結構いい加減に作っていたのだ。



音質は朴材のソプラノと同じ系統で、深みのある音色だ。音量は大きい、かも。
さて、このウクレレ、サウンドホールの直径が7cmもある。なぜこのサイズにしたのか、記憶にない。おかげで、共鳴周波数は高めのようだ。
今回の最大の失敗は、トップとバックを薄くしすぎたことだ。とくにバックが薄く、光にかざすと透けて見える感じだ。強度的に難あり、だ。そういえばサウンドホールもコンパス式のサークルカッターで、手で切ったっけ。それだけ薄いということ。
まだ塗装も弦も落ち着かない。音はもっと良くなっていくだろうが、あんまり音量がありすぎるのは、家で下手くそが弾くウクレレとしては、扱いづらいかも。




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