ブックマッチ |
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一本の角材を何枚かの板にスライスしたものを本を開く様に接ぎ合わせたものがブックマッチです。本来はギターの様に大きな楽器で、木材の幅が不足するのをカバーするための技術だったようですが、ウクレレの場合は、よくデザイン上の理由で用いられます。
今回の一本も、十分な幅がある板をわざわざ切断してブックマッチします。
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写真は、ブックマッチ用の治具(というほどの物でもありませんが、)です。
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治具にブックマッチの板を乗せ、Fクランプで締めます。板が浮かない様に、鉄アレイやクランプで押さえています。
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モールド |
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いつもの様に、二枚のベニヤにスペーサーを挟んでモールドを作ります。形はマーチンっぽいでしょうか。
前回とあんまり代わり映えしませんでした。
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トップ・バックの厚み調整 |
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ブックマッチがうまくできたら、糸鋸で大まかな形に切り、薄くしていきます。
今回はちょっと高価なカーリーメープル(AAAグレード)ですが、杢目の出ている材はカンナが杢目に引っ掛かるため、薄くしていく作業の大半はサンディングという事になります。
目指せ、1.8mm!! だったのが、もう少し薄くなっちゃったかな?
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サイド |
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サイドは厚さ2mm強までサンディングしました。もっと薄くしても良いのですが、面倒なので(^ ^ゞ
板を一時間以上お風呂でお湯に浸し、ベンディングアイロンで曲げます。メープルは結構曲げやすく、感じは朴に似ていました。
曲げたサイドは型に留めて、一昼夜以上はおきましょう。
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パーフリング |
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今回、トップにはパーフリングを入れます。Paua Abalone Purfling Curved、StewMacでの当時の価格は $25.24、今は少し値上がりしている様です。インターネットで調べると、これはアワビ貝の中でも特に美しい、ニュージーランド固有種らしいです。内径125mmのギター用なので、今回のサイズなら、二本分取れそうです。
まず、トップにパーフリング用の溝を切り、サウンドホールを開けます。私はいつもリョービのトリマーを使っています。
今回のアワビ材はギター用なので、そのままではウクレレには使えません。そこでアワビの小片をさらに四分割してから嵌めていきます。これだけ細かくすれば、カーブの調整はやらなくても大丈夫そうです。
アワビ材の幅が溝より少し狭かったので、内外周には黒い画用紙を挟んでいます。
木材以外のパーフリングは初めてなので、結構うまくいっていません。出来上がりの見てくれを左右する大事な部分なのですが、さて、どう仕上がるやら。
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ネック |
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ネックにもメープルを使いますが、今回はホームセンターで木目がうねった材を見つけました。450x20x60、410円なり。
加工性は悪かったのですが、結果、綺麗な杢目が出てくれました。
いつもの様に、約14度の角度でカットしてヘッド部を作ります。
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ヘッド側は10mm程度まで薄くします。
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ネックとヘッドを接着します。ずれない様に気を付けます。
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ボディ |
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サイドをブロックに接着し、トップ、バックの整形をします。
ライニングは、トップ側にはカーフド・ライニング、バック側はソリッドなライニングです。
ライニング接着後、再度整形しておきます。
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ブレーシング |
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今回は、先にトップ板をサイドに接着しました。
その後、トップ側のブレースを接着します。強度を補う事に主眼を置いて、ちょっと過度なブレーシングになってしまったかも。基本はXブレーシングです。3x10mmの桧材を障子の桟の様に接着しています。
バック側は標準的に『二』の字ブレーシングです。
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指板 |
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指板には黒檀をチョイスしました。が、もっと明るい色の方が良かったかも。
今回のスケールは400mm、14フレット継ぎの18フレットです。
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合体 |
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ボディ、ネック、指板が揃いました。
ボディには茶色のバインディングを巻いています。今回も、ホームセンターで購入したボードの接続パーツ、ジョイナーから切り出した樹脂素材を使いました。
ヘッド先端は緩やかなカーブにしています。
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接続して、形になりました。ロングネックです。
ネック接合部には若干の隙間が開いてしまいましたが、トノ糊で埋めています。
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塗装 |
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折角のメープルなので、塗料もメープルにしてみました。ワシンの水性ニス、メープル色です。
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その上にクリアーラッカーを吹いています。これは製造がアトムで販売が島忠というものです。島忠ホームセンターで売っています。
この塗料は厚塗りの光沢仕上げに好適だと思います。ただし、厚塗りすると、乾燥までにはそれなりに時間が掛かります(数日)。クリアーラッカーにも色々ありますが、最近のお気に入りがコレです。前作(朴材のロングネック)の塗装もこれでした。
今回使った塗料は重ね塗りが出来ましたが、モノによっては重ねられないケースもあります。事前に試してみる事をお勧めします。
また、下の塗装が完全に乾いてから重ねる場合は、#320程度のサンドペーパーで少し下地を荒らしておく方が密着するようです。
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完成 |
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完成です。さすがにAAAグレードのメープル材です。杢目が美しく仕上がりました。
ブリッジですが、弦を結び留めるタイプです。人工大理石をL字型に削り、黒檀の土台に組み合わせています。実際の弦は、結ばずに末端を玉にして穴に通して留めています。玉をブリッジの溝側にした方が引っ掛からず見た目にもすっきりしそうですね。
ブリッジ接着部は、剥離剤ではなくスクレーパーで剥がしました。剥離剤にも耐えられるマスキングテープが見つからなかったためです。
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